■暴力虐待(肉体的・精神的・性的)
<肉体的>
親自身がストレスを抱えている場合がほとんどである。健常な状態であれば理性によって暴力をすることは抑えられる。
しかし、暴力を振るう親は
1.その衝動をコントロールする能力が著しく欠如している。
2.親自身もその親から暴力を受けて育ってきた。そのため、子供へのしつけの方法は暴力であると信じている。
3.子供のころから感情が満たされずに生き、そのまま親となってしまった。心が子供である部分が多く、自分の子供が感情的になるとそのことが許せない。この背景には、自分が子供のころに表現しても、反応してもらえなかったり満たしてもらえなかった感情表現を見ると、過去の自分と重ねてしまう。そのことに怒りを覚え、その怒りを当時の自分の親に向けて発しているのであるが、目の前にいるのは自分の子である。結果、その怒りは暴力となってその子に降りかかることになる。
暴力で子供に当たる親に多くみられるのが、その暴力を「正当化」することである。
その親は「お前が将来困らないために・・・お前のために・・・」と子供のせいにして暴力を振るう。子供がどれだけ不安になり、恐怖し悲しい気持ちになっているかが想像できないがために不幸が積み重なっていく。結果的に、その子供が暴力で人を支配することを学習してしまうということに、想像力をはたらかせることができないのである。
<精神的>
精神的はしばしば、肉体的も含まれる。日常的ではないにしろ、暴力を振るう。しかし、子にとって苦しいのは、親から放たれる言葉の多くが、子の人格や存在そのものまでも「否定」するものであるということだ。
暴力であれば、身体にその痕が残り、外部の人間が気付く可能性もある。しかし、言葉の場合は、全く気付かれることはない。
嫌味や蔑みはもちろんだが、単なる「からかい」の言葉や「冗談」でも子の気持ちを傷つけることになる。なぜなら、子ども親の言うことは正しいものとして考えるからだ。また、幼い子では言語能力の発達途中である。その子が「からかい」の言葉や「冗談」を理解することは非常に困難である。
こういったものが日常的に繰り返されると、子は親の言った言葉その通りの子になってしまう。
例えば、「きたない」を繰り返し言われるのであれば、自分はきたない人間なのだと自分にレッテルを貼ってしまうのである。そうなると、他人と接触することを怖がるし、異常な潔癖になる可能性もある。
精神的に染みついた考えや行動は、大人になっても消えることはかなり難しい。肉体的に暴力を振るわれた子同様に、常にストレスを抱えて日常を過ごさなければならなくなる。
どんなに「お前のためだ」と親が言ったところで、言われている子の心はどんどん傷ついていってしまう。そして、傷ついた幼い心のまま大人になってしまう。
<性的>
これについては、言わずもがなな部分もあると思う。しかし、ごく限られた、ごく稀なケースではないということを知っておいていただきたい。
この日本においても、同じことが言える。検索してみると、多くのサイトがあることに気付く。以下はWikipediaの一文である。
”日本では1972年、五島勉が著書『近親相愛』でアンケート調査の結果を発表した。それによれば、女性1229人から得られた回答を基にした分析で、4.7%が実際に家族と性的行為を行った、もしくはギリギリの状況まで進んだと推定されるとしている。”
性的な虐待を受けた子は、
・愛情に満ちた人間関係の構築の仕方がわからなくなる
・健全な性的な関係をもつことが困難になる
・うつ病になりやすく、自分で自分を処罰するようになってしまう
といった状態に陥る。
暴力虐待をする親に育てられた子の特徴
親に対しての恐怖心があり、自分自身に対する自身のなさ、無力感が育っていってしまう。加えて、人間関係においての距離感がつかめずに、孤立することが多くなってしまう。
また、自責の念が強い上に、家庭における出来事は秘密であり、他の人に話そうとはしないため、
- 自滅的に振る舞う
- うつ病になりやすい
- 完璧主義になりやすい
- 孤立しがち
- 他人を支配したがる傾向が強い
などといった特徴をもつようになる。
この子が人生をよりよく生きるためには、前述したように同じような境遇の人々と交流を通したセラピーやカウンセリングを受け、親は一生変わることはないことを認める他ない。
いい子でいることの代償
これまで記述してきたどの子にも、『親に対して、恐怖心がある』ことが共通点として挙げられる。
そのため、自身が育たず、依存心が強くなり、親の言動は「自分がいい子ではないから、いけないことをしたからそうするのだろう」と自分に言い聞かせ納得させるようになる。
親がどうあっても、子にとってはこの世にひとりしかいない父と母なのである。
ゆえに、親の言動について批判的な感情などもたずに『正しい』と考えてしまう。
この考えは、身の回りの世話を自分でできるようになったとしても消えることはない。そればかりか、親が子に対して行った事実に直面することを避けてしまう(これは親が存命であろうが、墓の中であろうが変わらない)。
自分自身の人生を取り戻すために踏み出さねばならない第一歩は、事実とはっきりと対面することから始まる。
毒親について私のまとめ
一口に毒親と言っても様々なタイプがあり、程度が軽かったり、非常に重かったりします。また、いくつかのタイプを併せもつ場合もあります。
記述してきた項目に当てはまるものが多く、自身もそうであると思った方は、まず親と自身の状態を知ることから始めてください。
知ると、許せない・よくもこんな私にしてくれたな・絶縁してやるなどといった負の感情が起こるのは、私もそうでしたからよくわかります。そして、その負の感情の赴くまま、行動するもよいでしょう。しかし、感情的な行動は、より現状を悪化させることに繋がりやすいです。親と自身の状態を知ることができたのなら、冷静に対応する術を学ぶことをお勧めします。
私は、現在親と連絡を取らない、会わないなどの対応をしています。連絡を取れば何を言われるか・・・そして、どんな過去を引っ張り出して私を非力と罵るかわかったものではありませんので。
そして、機をみて「対決」をし、親ではなく、過去に決別する計画です。(2019/2/5現在)
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