クローズアップ現代+でも紹介された「毒親」
「毒親」((2019年4月19日(木)放送:番組内で感情を表すところを見たことが無かった、武田真一アナが涙を流したことでも話題になりました。))・・・日本では、ここ数年になってよく聞くようになった言葉だと思います。そう聞くと新しい言葉のように感じますが、アメリカでは約20年も前に言葉として存在しています(英語ではToxic Parents)。
日本で、親というと昔から「絶対的な存在」、「子供が恐れる存在」であることが主流でした。
ここ最近では、そういった従来の親とは異なる考えを持った方が増え、多様化(友達親子や子を怒らない親など)していますが、一般的にはまだまだ子にとって親は正しく・絶対的な存在であるかと思います。
しかし、毒親という言葉が浸透していくにつれ、子にとって絶対的な存在の一部は、子にとって「毒」であるという考えに変わりつつあります。
では、「毒親」とはどのような親で、どのような特徴があるのでしょうか。
また、その「毒親」に育てられた子は、どのような子になるのでしょうか。
この記事では、毒親の特徴をまとめてみました。
毒親の特徴
注意:個別のタイプで挙げていますが、1つだけが当てはまり、他は当てはまらないのではなく、複数を持ち合わせている親もいます。また、子の特徴も挙げていますが、すべてが毒親のせいとは限りません。あくまでも、ご参考程度にお読みください。((この記事は、スーザン・フォワード著 玉置悟=訳 「毒になる親 TOXIC PARENTS」2001年 を参考にし、筆者が追記しています))
毒になる親
スーザン・フォワード/玉置悟 講談社 2001年10月
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タイプ : 過剰コントロール・ネグレクト・アルコール中毒・暴力虐待
■過剰コントロール 《親の思い込みが子の心の成長を阻む》
1.直接的コントロール(支配的、過干渉的)
<事例1>親の都合の押しつける
自己中心的な考えをもつため、子が自立していこうとすることに不安を感じ、子に対し自分勝手と責める傾向がある。結果、子の考えと親の考えが一致していないと感情的に子に接する傾向がある。
<事例2>金銭的コントロール
親の義務である衣食住に対して、子自身には生活能力がないと責め、親なしには生きていくことができないと信じ込ませる傾向がある。殊更、子に結婚相手ができると、金銭能力が親より劣るとして、結婚相手を含めてコントロールしようとする傾向がある。
<事例3>子の能力を認めない
お前にはできっこないと、根拠のない決めつけを行い、子が何事に対しても消極的になってしまうのを見ることで、親に能力があることを感じる傾向がある。
このような事例は、『親は絶対』という妄信から、子が非力さ・無力さを感じるように子育てをしてしまう。親に経済的・精神的な依存をさせるような態度や言葉を用いてコントロールしたがる。また、罰を与えたり、厳しいルールを設けるが、一時的で自分の感情と都合にまかせているため、子の成長にとってプラスにならない。
例:子のやりたいことを禁止。親に口答えをさせない。子に生活力がないと言って責める。理由もなしに否定・決めつけをする→あれはするな、あの子とは付き合うな、どうせお前ではむり、親の言う通りにしていればいいなど
2.間接的コントロール(相手を動かすために、直接はっきりと言わない、または遠回しの表現を執拗かつ過剰に使い、子が抵抗しづらくする)
<事例1>「私はあなたを手助けしているの」と干渉をやめない
子自身が、「自分は何もできない存在」と自然に思うほど、何事にも干渉する傾向がある。子が自分の思い通りにできずに、いらいらするようになると、親は子のためにこんなにしてきたのにと悲しい表情を浮かべ、子に罪悪感を植え付ける傾向がある。善意を装っているが、これらは子が親の思う通りになっていないと心穏やかでないことによる。
<事例2>兄弟(姉妹)比較が止まらない
「兄(姉)はこうだったのに、どうしてあなたは」、「弟や妹は言うことを聞くのに、どうしてお前はいつもそうなんだ」など、自分の思い通りに行動している兄弟姉妹を引き合いに出し、思い通りにならない子を非難する傾向にある。不必要な兄弟姉妹間の競争を加熱させるばかりか、関係悪化につなげてしまう。
これらも、親が家庭内のすべての中心であるかのような振る舞いをする。直接的と同様、子は感情や行動をコントロールされることで、強いフラストレーションを抱えた中で成長することになってしまう。
過剰コントロールの親に育てられた子に見られる特徴
- 親に対し恐怖心・不安を抱く。
- 親が悪いのではなく、親の言う通りにできない自分が悪いと考えてしまう。
- 親への反抗がうまくできず、家庭以外で急に怒りを爆発させやすい。
- 自身の力で物事をうまく進めても、うまくいったことへ不安を感じてしまう。など
不幸なことに、これらについては、たとえ親が他界していたとしても関係なく子の心を縛り続ける。子が気付き行動するまでその呪縛から逃れることは難しくなってしまう。
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