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我流:話術を磨く方法~考え方編~

体験記

授業内容だけをしっかりさせようとするとつまらなくなる

 突然ですが、ラジオのNHK第二放送の高校講座をお聞きになったことがあるでしょうか?

聞いたことがある方ならわかるのですが、

 真面目な固い先生が、淡々と話を進めていく授業 

であるがゆえに、私の感想ですが、聞いているだけ(本来は書店で売られているテキストを利用しながら受講するのが正しい)だと、頭に入らないし眠くなります。

講座では、主に聴覚的に学習をさせるため、細かにゆっくりと教えてくれているのですが、頭に映像が浮かびづらく、とても難しい内容を話していると錯覚してしまいます。

(注)あくまでも私の主観なので、この学習方法が合うという方は大勢いると思います。

今でもTVやYouTubeなど視覚的メディアが多いですが

教員であるあなたが授業力アップのために、話術を磨こうと思ったときに何をするでしょうか?

TVの名司会者(明石家さんまさんを始めとするお笑い芸人の方)を見て、このように場を作ろう。

YouTubeで有名YouTuberの動画を見て、このように話を進めると最後まで飽きずに見られるな。

など視覚的であると見て学ぶことができて利点が多いと思います。

もちろん授業でこのような方法は有効ではありますが、指導内容によっては実物を持ってこられない、写真であっても説明を加えないとわかりにくいなど、生徒が耳で聞いて理解する場面が多いと思います。

そこで、教員の話術を磨く方法の一つとして、「ラジオを活用して話術を磨く」を私は実践していました。

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ラジオで話術を磨く

ラジオを聞くきっかけは、自分の好きなタレントさんがラジオ番組をやっていて、長く続いており、しかもおもしろいと中学時代に友人に教えてもらったことでした。それから、時間があるときはリアルタイムで聞いていました(深夜の番組だったので、録音することが多かったです)。

勤務時代は、通勤時間や休みの日にラジオを聞くいていました。現在では、〔radiko〕のタイムフリーで録音せずとも聞けるので、暇さえあればラジオを聞いています。

さて、ラジオを聞く習慣がない方には、想像しづらいものですが、ラジオはまさにパーソナリティの声のみでリスナーに情報を提供しています。

 パーソナリティの話し方一つで、さまざまな想像をリスナーにさせることができます 

この部分は、授業における指導内容を如何に生徒の中に落とさせるかに苦心する教員にとっては、参考にすべき点だと思いました。

例えば、視覚的資料がない状態で『午後3時』とだけ聞いたとします。

頭にどのような映像が浮かんだでしょうか?

一般的に2つの映像のどちらかが浮かぶと思います。

 1つは、〈アナログ時計の長針が12を指し、短針が3を指している時計〉

 もう1つは、〈デジタル時計の:の左が3、右が00〉

です。これだけでも、人によってイメージに差が生まれます。

ここでさらに『午後3時を示している時計』と、ひとつ「時計」という情報を加えただけで、人それぞれに見てきた時計はそれこそ千差万別ですから、さまざまな大きさや形の時計になります。

しかし、パーソナリテイがその後に『学校の教室にあるような時計で』と付け加えれば、聞いた人のほとんどは「白の文字盤に黒の数字と黒の長針・短針のアナログ時計」という言葉を使わなくても、同じ映像が頭に浮かぶと思います

授業では、生徒のほとんどに同ようなイメージを沸かせて理解を促したいと思っていたので、できるだけ誰もが見ていてイメージの沸きやすい言葉を選択し、話をしていました。

イメージが沸けば、理解が早まる

話を聞いていても、頭の中にイメージできないものはとらえどころがないので、理解するまでに非常に苦労します。

特に、難易度が上がる内容ほど多くの説明が必要になってくるし、図などを用いてもイメージしにくいものもあります。

ならば、新しい知識を得るときに身近であるものに「例えてくれる存在」がいると頭の中にイメージが広がり、理解が進むものと思います。

また、それが先生よりは先輩、先輩よりは同級生、同級生よりは友達という具合に、自分に近くなればなるほど理解しやすい身近な例を使ってくれるので、より一層『わかった!』がやってくると思います。

ですので、教員がまず理解しやすい内容で授業をできれば、つまり話術を磨き生徒がイメージしやすい説明を心がければ、

 クラス内で理解できる生徒が増え、お互いに理解したことを使って教えあう 

そういった活動が活発化すると思っています。

最後に実際の授業において、その活動が起こった例を書いて終わりたいと思います。

生徒どうしの自然な教えあい

こちらで用意した、生徒には初見の問題を解かせている場面です。

ここで授業の理解度を見たりするわけですが、ここで日頃よく質問をする生徒・しない生徒に対してアクションをしました。

質問をする生徒は、クラス内の生徒からも勉強ができる子であったり、あの教科はとても得意な子といった印象をもたれている生徒です。また、しない生徒でも発言は控えめだが、定期テストの成績が良いというのも生徒間では知られているものです。

机間巡視のときに、さりげなくその生徒の理解具合を確かめにいきます(または、解けてしまった生徒は正解が知りたくて、答えを求めてこちらを呼び止めることもあります)。

そして、クラスに聞こえる声で『○○くん(さん)正解!考え方も問題なし!』、『さぁ、教えてくれる先生が増えたよ!』と言います。これを数名出します。

それまで、静かな環境で黙々と問題を解いていた生徒たちが、話始めます(緊張が解けて余計なおしゃべりをする生徒もいますが、我慢してそこへ行って指導)。

まず、その生徒と仲の良い生徒が教わりにいきます。あとは単純にできているけど、答えに自信がない生徒が見にいきます。そうすると、「できた」「わかった」が連鎖していきます。

自然と仲の良いものどうしがくっつき、教えあいが始まります。一つの机に4人くらい集まって始めるところだってあります(出歩きなど気にしていたらできません。もちろん騒がしくなりすぎないように、ルールは定めておきます)。

授業が終わるころには、数名の生徒を除いてほとんどの生徒が問題が解き終わっている状態です(回収してチェックし成績に入れると事前に説明してあるので、答えだけ書くや丸写しはされにくいし、するとばれるような問題を課しています)。解けていない生徒は、昼休みなどを利用して指導をしていました。

授業内で理解できたということへの満足感が生徒には湧き上がるようで、その後の復習はほとんど生徒まかせでしたが、定期テストではそれに類する問題の正答率が8割強でした。

ちなみに問題の中身は、『中学校1年生理科の密度計算とそれに関わる記述問題』でした。

ここまで読んで下さった方ありがとうございます。

実際に『話術を磨こう』とお思いでしたら、試してみてください。やれば話をしているときに意識されて、話し方が変わります。それは授業が変わるということです。授業が変わるということは生徒も変わる可能性が高まるということだと私は考えます。

追記:ここでもPDCA

こういった場面でも、PDCAサイクルを回すことを念頭に置いておくと、授業改善・生徒理解が進むかと思います。

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