新学期に向けて~期待と不安はあります~
今年は、どんな生徒と出会えるのだろうか。どんなクラスになるだろうか。あのクラスにいたあの生徒を受け持つから、こう指導したいな。
この時期には、初めての担任であったり、学年が上がるなどで、期待や不安が入り混じった時期になっているかと思います。
臨時で教員をしていた経験上、3月の後半は以前の学校を去り次に勤務する学校が決まり、期待と不安が入り混じった複雑な気持ちでいました。
(そして不安は的中することが多かったです。新年度最初の職員会議で開けてびっくりの内容。年によっては、当事者の先生同士でもめて、一時中断や次の日へ持ち越しなど、会議がうんざりするほど初日から長くなったりしました。)
学級開きへの準備
「初めが肝心」は必ず現場で言われるものです。
というのも、仕事をしていけば間違いなく実感するのですが、教員が最初の学活や授業で話をしたときに生徒がもつ印象というのは、非常に大きいものです。
一度、生徒についた感覚やイメージを年度途中で変えようとすることは、非常にエネルギーを費やします。加えて、変わりにくいです。
ですので、最初にエネルギーを費やした量で今後の一年が左右されるといった心持ちで準備することをお勧めします。
学級開き<担任向け>
初めてであると、何をしたらよいのか、そもそも何が必要であるのかが、始まらないと何もわからないです。
そこでまず、担任になる可能性が高いのであれば、『学級開き』への準備が第一かと思います。新学期が始まると、慣れている先生方はせっせとこれらの準備をしています。
では準備する内容はどのようなものでしょうか。私が行っていた内容を記していきます。(順番は適当です)
(基本的には現場で聞けば、教えてくれたり、活用できる資料やデータをもらえたりします。また、その学年独自の内容があったり、主任の先生の考えで全クラス同じ内容にするなどさまざまあります。)
- 教室
教室にあるものないもののチェック。あるものはリストアップしておき、後につくっておいた方がいいもの、つくらなくても済むものを確認します。旧学年の先生が荷物の移動を行ってくれている場合があります。逆にまだ手付かずの場合もあります。
- 教室の椅子と机
机の天板の傷や落書きの状態を見て、ひどいものは交換。椅子についても、腰かける部分および背もたれを確認します。交換すべきものは、後でわかりやすいように付箋を貼っておくといいと思います。
- 教室掲示物スペース
教室によってさまざまです。どこに画びょうが使えるのか使えないのか。セロテープやマスキングテープで貼れば問題ないスペースを確認。掲示物は、学級通信や学年だよりや給食メニューなどがあります。テープ類は、ラミネートしたものを貼る際に利用します。挙げると切りがないため、詳細は割愛します。
例えば、学期毎に目標を書かせるのであれば、そのスペースと専用の用紙。自己紹介を書いて掲示させるのであれば、そのスペースと専用用紙。係・委員会のメンバー紹介を顔写真付きでするならそのスペースと専用用紙。などなど
- 教室カスタマイズ
これから一年間生徒と共に過ごす空間です。生徒の居心地よさを目指すことが大事ですが、それよりも前に担任自身が活動しやすい空間にする必要があります。
必要なものは、先輩の先生方に聞くと十人十色の意見が返ってきます。同じ学年の先生に聞いて、真似るのが一番早いと思います。慣れていくうちに、自分で必要と思われるものは、自ずと増えていきます。挙げると切りがないため、この部分も詳細は割愛します。
例えば、生徒が提出物や宿題を出すためのBOXや棚。連絡で使ったりなど便利な小さなホワイトボード。黒板以外でも活躍するマグネット。などなど
- 名簿がなくても作成できるクラスに係るものの準備
1.生活班で活動するなら、班活動における決まりや役割の分担表
2.日直の仕事(朝・帰りの会で何をする、日中はどんな仕事があるなど)マニュアル
3.掲示物を楽に管理するために、フラットファイルを加工
<イメージ>画像元:カウネット
このようにしておくと、掲示物の貼り付けや管理が楽になります。
- 名簿を手に入れたら作成できるものを準備
多くの場合、最初の職員会議の後に担当する学年の名簿は手に入ります。そこで、手に入れたら作成できるものを挙げておきます。
1.担当クラスの名簿の作成・印刷
名簿は様々な先生が利用します。様式が決まっていればそれを聞いて、職員室用・教室用に準備します。ほとんどの場合は、番号・氏名・男女別・記入項目がいくつかある名簿を作成します。
また、自分のクラス管理用に名簿を作成しておくと楽です。私の場合は、以下のような名簿を作成していました。名簿内の氏名は架空です。(細長い方はほとんどの先生が利用すると思います。教室に大量に置いておいて、誰が使ってもいいように吊るしておきます。)
2.座席表の作成
一番最初は、出席番号順などで着席させると思います。ですので、中・高であれば最初の座席表と試験用の座席表を作成します。席替え用のものは追々作成していきます。
3.初日に備え、提出物・配布物のチェックリストをつくっておく
とにかく、最初は多いです。特に提出物は、つくった名簿に書き込んでおきます。段取りを組んでいないと、どのタイミングで何を出させて、それを記録していくというのがごちゃごちゃしてしまい、上手くできなくなってしまいます。最初は、とにかく失敗しまくりました。ですので、リスト化して教室で管理できるようにし、何よりてんぱらないように工夫するようになりました。
配布物は教室に事前に持っていくので、リストだけ箇条書きでつくり、配ったあとに生徒に確認させていました。
- 所信表明演説用の原稿作成
やっておられる先生も多いかと思います。私個人の考えでは必須です。
演説を実行するためには、クラスを生徒をどのようにしていきたいのかという、一年を見通した考えが必要になってきます。また、担任をすると学級経営案を作成することになるので、それへの備えにもなります。
そして何よりも、生徒に向って最初に『私の基準はコレ!』と指導する際の考え方を披露しておきます。過去の例を述べつつ、理由も含めます。もちろん、一年間有言実行です。
生徒が一番緊張して真面目に話を聞くのは、この最初の1回
との思いで、教卓で堂々と生徒の眼を一人ひとり見ながら語ります。
生徒は、このときに「ああ、こういう先生なんだな」という印象を持ちます。最初は真面目で固いものにしておきたかったためです。あとあと、いろいろボロが出て崩れていくものですから(笑)
- 黒板に歓迎を描く
以下の画像のように、黒板に思いを描きましょう。
一年生であれば、入学おめでとうを。それ以外であれば、自分のクラスへの歓迎を表す言葉や絵を。
やはり、生徒が教室に入った瞬間に心躍るものが欲しいのです。そして、一番それを実現させやすいのが黒板への言葉や絵です。
私は絵は得意ではありませんでしたが、レタリングが好きでしたので、凝った文字で歓迎の言葉を書いていました。
私が見た他のパターンは、
- 自分の似顔絵を描く
- 紙で作った桜の花びらの裏にマグネットを付けて、黒板に貼って装飾
- 黒板の右から左までびっしりと思いなどを書く
楽しみながら、準備ができるものの一つであると思います。
余裕があるならば、これをしておくと所信表明演説をより聞くようになるかと思います。
学級開きのまとめに
紹介したのは、あくまでも私の例です。現場では、いろいろな先生方が独自のモノをつくってもっていらっしゃいます。最初は、それを頂くのも手です。話をすればくださる先生の方が多いかと思います。
頂いた場合は、どんなモノであれそのまま使い続けることができるでしょう。しかし、しておいた方が良いと思うことは、自分のモノにするということです。
どの先生も、《自分が使いやすい》を目指してつくっています。頂いても使いづらいモノもあったりします。ですので、頂いたモノに自分の意図が入るようにちょっといじってみるとモノになると思います。
担任向けに書きましたが、副担任はまた別に、仕事があります。主に、主任から振られることが多い、学年全体に関わる雑務です。また、担任の先生に頼まれて何かを作成する場合もあります。
これから始まる、大変ですが子供たちとのすばらしい日々に胸を躍らせながら、仕事を頑張っていただきたい。
教科担当のみが主担当である場合には、こちらの記事が参考になるかもしれません。よろしければ、ご参考になさってください。
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