民間出身の校長も珍しくない時代
企業経験のある教員を現場に受け入れてくれる土壌はあります。一方で外部から来た人物を忌避する人はかなり少数ですがいます。ですが、これは学校に限らずあることですから、気にしても仕方がありません。
話を戻して、企業経験は学校現場で生きることが多いです。顧客対応として身に着けた話術や電話応対、簡単なPCスキルであっても学校では当たり前でなかったりします。このPCスキル(ICTを利用することも含む)については、かなりの割合で重宝されます。
というのも、学校では使える先生はとことん使いますが、使わない先生は本当にPCに使われていると言ってもいいくらいに、できないことが多いのです。ICT係はいますが、あくまでもちょっとPCを使った経験があるからという理由で割り当てられていることも多く、名ばかりの方もいらっしゃいます。そういった方が係になってしまう現状の学校も少なくないのです。
企業経験は必ず生きるという意識
ここ数年でGIGAスクール構想やコロナ禍によって、強制的にスキルを身に着けた方もいますが、まだまだという感じです。
さて、そういった観点からいくと、企業で何気なく行っている業務や経験は、学校ではできる先生がかなり少ない業務や経験であったりします。もちろん、子どもを看護し管理する、教えるという技術については、先生には敵いませんがそれは新人であるわけですから、向上させていけばよいだけです。
教員から転職して一般企業に行きその後また教員に、一般企業から転職して教員に、どちらの場合であっても、企業の経験によって得られたスキルは学校の事務作業、児童生徒の指導等で生きます。
事務作業では、企画書などの資料の作成、wordやexcelやpowerpoint、googleワークスペース、teams、zoom、slack等、当たり前に使っていた機能を生かす。児童生徒には、顧客対応や営業等で様々な人と会い、会話した中で得たおもしろいことをそのまま話をしたり、企業秘密をばらさない範囲で企業の裏側を話したり。
さらには、総合的な探求の時間や道徳で扱える内容を経験から構築できたり、かつての同僚や商談相手だった方に講演を依頼したりなど、活動の幅も広がります。
これから社会に必ず出ていくことになる児童生徒に、”はたらく”ことについて、実感を伴った授業や体験を提供できるようになれるかもしれないのです。これはかなりの強みになると私は思っています。
転職後も教員に戻る意識を持つと、実際に戻らなくとも受け身な仕事にならない
これも私個人の経験ですが、教員に戻ることを意識していると仕事の仕方が変わってきます。教員に戻る意識を持つことは、授業等で児童生徒にその内容を話すことを想定しています。
さて、そうすると目の前にあるすべき仕事や気乗りのしない仕事があったとしても、その仕事を通して関わった人や物はすべて児童生徒に語る際のネタです。
ネタがあると、どの学年や年齢であっても、おもしろい人がいた、変わった仕事をやったことがあるなど、”学校”という場では外部から人を呼んで話をしてもらうことの多い、職業やはたらくことについての話が自分でできてしまうのです。
ネタという意識をもつと、いろいろ蓄積したいし、蓄積したなら誰かに話をしたいしという欲求にもなります。仕事に対する熱意があって実行できる方には不要な考えかもしれませんが、私はどうにもそうなれないときや、熱意を持てない仕事内容もあったので、モチベーション維持に役立てていました。
さて、この意識によるネタの蓄積、教員に戻るでなくとも、転職時に面接で語る内容にも変えることができるので、いろいろと便利だと私は考えています。
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